2008年12月03日
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24巻・隠しモチーフは銀河英雄伝説か?

Written By: 川俣 晶連絡先

 もしかして、24巻にひっそりと忍ばせてある隠しモチーフは銀河英雄伝説?

 まず、ネギのコーヒーに対する「無粋な泥水」発言はまさにヤンの言いぐさそのもの。

 そして、巻末の用語集を見るとメガロメセンブリア旗艦「スヴァンフヴィート」の言葉の意味は「白鳥の如き白き者〔女性〕」ですが、WikiPediaによればラインハルトの旗艦ブリュンヒルトは……

流線型で優美な外観の多い帝国軍戦艦の中にあって、特に繊細なフォルムを持つ。白鳥にも喩えられたその美しい姿故か、ラインハルトはこの艦を終生溺愛していた。

 ……というわけで「白鳥」というイメージ的に符合します。

 更に、2大大国(帝国、メガロメセンブリア)と中間に位置する独立性の高い小国(アリアドネー)という構造は、銀河帝国、自由惑星同盟 、フェザーンという3勢力に対応します。

補足 §

 念のために補足すると、ネギが紅茶に固執するのはイギリス紳士というキャラクター性によるもので、ヤンを気取っている訳ではありません。ネタは重層的に扱われています。

もう1つ補足 §

 銀河英雄伝説は最初に徳間ノベルズで刊行中に読みました。たぶん5~6巻が出た頃に読み始めて最後まで付き合いました。コミック版、アニメ版はほとんど見てないのでさっぱり分かりません。言いたい放題のヤンが大きな顔をしている小説で「これで大丈夫か」と思ったら人気が出て、しかも美形の揃った帝国より同盟の方に人気があると知って驚いたこともあります。

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